個人でもアマゾンを使えば起業できる

ダイヤモンド・オンライン

 あなたは、アマゾンにどういう印象を持っているだろうか?「便利」?それとも「怖い」?
「アマゾンエフェクト」という言葉がある。これは、簡単にいうとアマゾンが与える影響のことだ。
影響先は、競合する企業だけではない。経済や産業など、もっと広い範囲を変える可能性がある。アマゾンは、経営学の革命である。近い将来、必ず経営学の教科書に載るだろう。アマゾンを研究することは、ビジネスの最先端を知ることであり、未来の社会を知ることだ。本連載では、成毛眞氏の最新刊『amazon 世界最先端の戦略』から、一部抜粋してアマゾンの戦略を解説する。

● マーケットプレイスを利用したくなるのは「FBA」のおかげ

 前回では、なぜアマゾンで大量の安い商品が取りあつかえるのか、その理由を説明した。その理由は、マーケットプレイスという仕組みが出品業者にとっても魅力的だというものだ。この仕組みには、アマゾンという企業の特徴がとても出ている。より詳しく見ていこう。

 アマゾンは、マーケットプレイスという「場」に外部の企業が思わず活用したくなる魅力的なサービスをたくさん用意している。

 いくつかあるが、最も大きいのがフルフィルメント・バイ・アマゾン、略してFBAと呼ばれるものだ。
● アマゾンが、在庫管理から返品対応までしてくれる

 これは、マーケットプレイスの中の一部門で、マーケットプレイスはただのオンラインの場を提供するだけだが、FBAを利用すると、どんな企業でも、アマゾンのインフラが使用できる。

 商品の保管から注文処理、出荷、決済、配送、返品対応まですべてをアマゾンがまとめて代行してくれるのだ。

 店舗がなくても、自社のECサイトを作らなくても、アマゾンの倉庫に全部預けるだけで、あとはアマゾンが自社の商品を売ってくれるという仕組みだ。

 人手が限られる個人商店や、中小企業にとってこのサービスは非常に助かるだろう。

 アマゾンの配送機能やカスタマーサービス機能を使って、世界中の何百万という顧客との接点を持つことが可能になるのだ。

 FBAの倉庫は年中無休で稼働している。休日でも即日発送できるので「すぐに欲しい」顧客の要望をくみ取り、機会ロスも防げるわけだ。

 また、利用料金も手軽だ。まず月額の固定費がない。発生するのは、商品の面積や日数に応じた在庫保管手数料や、商品の金額と重量に基づく配送代行手数料のみだ。

 それ以上の費用負担はなく、これも中小企業にとっては大きな魅力だ。

 FBAを利用する企業は、自分のページに「プライムマーク」を表示できる。プライムマークは、無料で当日・翌日に届くことを示すマークで、プライムマークがあると、やはり商品購入されやすい。

 多くの企業がFBAの恩恵を受けており、FBAを採用した約8割の店舗で売上が増えているという(『アマゾンと物流大戦争』NHK出版新書)。

 マーケットプレイスとこのFBAが生まれた背景には、古本の「せどり」という習慣がある。 せどりとは、古本の目利きが、価値ある本を古本屋から安く見つけてきて高く売ることだが、まだアマゾンが本を中心に扱っているときに、この個人のせどりに、オンライン販売の場を提供したことから始まる。

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